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モデナの食卓 Da Stefano


硬派イタリア人ステファノの超シンプルレシピとモデナ+信州生活
by mimicarpi
mimiのプロフィ-ル
イタリア、モデナ近郊の田舎町カルピからイタリア人の夫ステファノと、息子のルイジを連れて日本へ移住してきました。現在、二つのアルプスに囲まれた南信州に中古住宅を購入、イタリア気分が楽しめる宿をはじめました。キッチン付き民泊Da Stefano。日本にいても家庭内はイタリア語、食事も毎食イタリアンです。

宿の予約はairbnbか下記のメールでどうぞ。
miwakokageko@gmail.com
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チベットの思い出

チベットが大変なことになっているらしい。
ここで得られる情報は少ないけれども、イタリアのニュ-スでも毎日チベットの暴動については必ず放送される。

結婚を決めて仕事を辞めた約1年前、念願かなってチベットへ行った。
なぜ念願かなってかと言うと、チベットへ行こうとした学生時代の13年前はシルクロ-ドの砂漠の真ん中(カシュガル付近)で犬に噛まれて緊急帰国し、チベットへ行けなかったからだ。
チベットの思い出_d0140003_1275283.jpg
中国自慢のチベット鉄道にて成都から約50時間の旅。途中、標高5000メ-トルのところも電車で通過した。もはや飛行機並み。
印象的だったのは1等車(4人用個室寝台車両)には外国人が3組乗っているだけで、ガラガラ。2等車(ただの座席)は中国人でいっぱい。
中国人ばかりでチベット系の人はほとんどいなかったことだ。

到着したラサの町はまるで中国の都市のようで、漢字の看板が並び、レストランのメニュ-も成都と変わりない。
ポタラ宮の周りにも私の憧れた「秘境」チベットはどこにもなく、趣味の悪い「開放」巨大彫刻がある広場で中国人が民族衣装貸し出しをしてお金を儲ける、ごく普通の中国の地方都市のような風景。
チベットの思い出_d0140003_1592513.jpg

そして、憧れていたポタラ宮へ行った時、私は絶望的な風景を目にした。
チベットの思い出_d0140003_163912.jpg

なんて画一的なコンクリ-トの建物。町に美意識が一切感じられない。
学生時代(10年以上前)にチベットへ旅行していた友人たちは口をそろえて、「昔はこんなビル群はなかった」と言っていた。
チベットの僧侶や貴族の住居を壊してどんどん中国が中国人のためにくだらないビルをたてたらしい。
町にあふれる中国人経営のみやげ物屋の客引きの勢いはすごく、店内にはインドやネパ-ルのみやげ物が多かった。みやげ物屋は「チベットの手工芸品」と自慢げに言う。

短い滞在中、町をフラフラしていたとき、何度かチベット人に「日本人か」と声をかけられて英語で話した。彼らは中国語で話したくないのだ。
最終日に出会ったスイスに亡命していたという青年は「せっかくチベットに来たのに、偽物のチベットだけを見て帰らないでほしい」とチベット人居住区の観光客向けでないお寺、職人の作業場などを案内してくれた。職人の作業場に案内されたときは、素晴らしい手作りの家具類のある工房で、売り込まれるのかな、と思ったら、とんでもない。「これらはお寺に納めるもので売ってはいないんだ。とても高価だし。」と言われた。
繰り返し、彼は私に「本当のチベットを見てほしい。これが本当のチベットです」と語った。
トルコやインドでこういう「親切ガイド」は大概お店やホテルの客引きだが、チベット人はただ悲しそうに「チベットの現状を見てほしい。忘れないでほしい」と言った。
他のチベット人は「いまやラサの人口の90%は漢民族なのよ。多すぎる、、多すぎるわ。」とつぶやいていた。

チベット旅行前に何冊かダライラマの著書を読んだが、本当に魅力的な人物だと思った。
ダライラマファンは国籍を問わずよく聞くが、胡 錦濤ファンにはあったことがない。
どちらの言うことが信用できるか、考えてみてほしい。

中国は重要な隣国だし、自国に対する発言にも反論できない日本政府がチベット問題にリアクションを起こすはずもないが、私たちはチベットのことをもう少しきちんと見てみる必要があると思う。
明日はわが身かもしれないのだから。
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by mimicarpi | 2008-03-16 02:01 | その他
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